出産日記 産後3日目② ~新生児黄疸~
夕方、おむつを替え、おっぱいを吸わせ、ミルクを40mL飲ませたところに看護師さんが採血のためにベビちゃんを迎えに来ました。
そして数十分後、ベビちゃんとともに戻ってきた看護師さんから、
「黄疸の値が朝より高くなり治療が必要な値のため、これから治療になります」と。
続けて、黄疸についてや原因と治療について説明がありました。
新生児黄疸(高ビリルビン血症)について
新生児黄疸って?
黄疸は赤ちゃんの皮膚が黄色く見える状態です。赤血球が壊れる時に出てくる血色素から生産される間接ビリルビンという黄色い物質が血液中にたまり、血管から皮膚に移動するために起こります。
原因は?
新生児のビリルビンの生産率は大人の2.5倍にのぼると言われています。その理由は、赤血球の寿命が大人に比べて短いことと赤血球の量が多いからです。ビリルビンは肝臓で処理されて腸管に排泄されます。生後の早い時期の赤ちゃんは肝臓でビリルビンを処理する力が不十分なため、血液中にたまり、血管から漏れ出し、皮膚を黄色く染めます。また、いったん腸管に排泄されたビリルビンが再び吸収される割合が多いのも赤ちゃんの特徴です。
どのくらいの頻度で起こるの?
黄疸はほとんどの赤ちゃんにみられる症状です。通常、生後2~3日で症状があらわれ、5~6日にピークとなりますが、その後は低下して2週間以内に自然消失します。
治療が必要?
新生児黄疸の治療の目的はビリルビン脳症(核黄疸)の後遺症の予防のためです。ビリルビンは脳細胞に対して毒性があります。特に脳の基底核と言われる場所が障害を受けやすく、後遺症として、運動障害・難聴・知覚障害が問題となります。
どんな治療法があるの?
新生児黄疸の治療は、光線療法です。赤ちゃんの生まれた時の体重、生後の日数、ビリルビン値およびビリルビン脳症の危険因子を考慮して治療するか医師が決めます。
光線療法って?
光線療法が黄疸の治療に有効なのは、本来の肝臓での間接ビリルビンとは別に、光エネルギーが水に溶けない間接ビリルビンを水溶性のビリルビンに変化させて、肝臓や腎臓からの排泄を促し、より多くの間接ビリルビンが処理されるようになるためです。
こんな手順で行います
①赤ちゃんは、保育器またはコット内でオムツ以外は裸にします。
②網膜に対する影響が考えられますので、目に遮光用のアイマスクをつけます。
③光の照射は、授乳の時間を除いて連続して24時間行います。
④24時間経過した時点で必ず採血をして、ビリルビンのチェックを行います。
こんな副作用がみられることがあります
①発熱、皮膚からの水分損失
②下痢、緑色便
③過敏、嗜眠、哺乳力低下
④皮疹
副作用に対しては、哺乳量を増やしたり、症状が軽快しない場合は中止する場合があります。
治療終了後について
終了後、ビリルビン値が上昇(リバウンド)します。基準値を超えてないか確認するために、治療終了後(退院後)も1~2日後に数回、病院に連れてきていただいて、再検査を行います。
(病院のパンプレットから引用)
ということで、今から明日の同刻までの24時間、光線療法を行うことになりました。
おしっことうんちでビリルビンを排出させるため、この間、3時間おきにおっぱい+ミルク40mLを飲ませます。ミルクは看護師さんが飲ませます。
そのため、明日の夕方までベビちゃんと離れ離れです。会えるのは3時間おきの授乳の時だけ。
説明が全く頭に入ってきません。
説明を受けながら、思わず涙が出てしまいました。
看護師さんに「大丈夫ですよ」って言われても……。
母子同室でずっと一緒にいたベビちゃんと離れ離れになる言いようのない寂しさで胸がいっぱいになりました。
ごめんね、ベビちゃん。
夜中から便が出てないし、おしっこも少ない。おっぱいが出てないのかな。ミルクをもっと飲ませてあげればよかったのかな。
ベビちゃんが治療で部屋を部屋を出て行った後、夕食が配膳されました。
今日の夕食は和食です。しかし、あまり覚えていません。
来てくれた夫になぐさめてもらい、何とか完食しました。
それから、夫と一緒に沐浴のDVDをみました。
しかし、何度巻き戻しても全く頭に入りません。
涙が出てきてしまうのです……。
諦めて、後から一人でみることにしました。
そんなこんなで、3時間おきの授乳の時間になりました。
夫と一緒にスタッフステーションで治療中のベビちゃんに会いにいきました。
面会時間が終わるので、ここで夫は帰宅、私は授乳です。
3時間ぶりにベビちゃんを抱っこしました。
光線治療のため、目隠しをし、全身が日焼けのように赤くなっているベビちゃん。
体がぽかぽかしています。
また、涙が出てきちゃいました。
ベビちゃんに会えた嬉しさと、ごめんねという気持ち。
この時から、飲んだ母乳の量を測ることになりました。
母乳の量の測り方
①赤ちゃんの体重を測る
②母乳を飲ませる
③おむつ替えをせずに体重を測る
④①と③の体重の差を計算する。これが飲んだ母乳の量になります。
飲んだ母乳の量は2gでした。生後3日目だとこれぐらいなんだそうです。
授乳を終え、また3時間後までバイバイです。
最後にもう一度ぎゅっと抱きしめました。
部屋に戻って、シャワーを済ませ、一人で思いっきり泣きました。
ベビちゃんがいない部屋は、空虚になったように寂しい。
こんなことで動揺していては、ダメだよね。
母乳にも影響しちゃう。
よし、気持ちを入れ替えよう!!
そして、先ほど全く頭に入らなかった沐浴のDVDをみました。今度は巻き戻さずに最後までみれました。
先ほどの授乳から3時間後の23時すぎにナースコールで呼ばれ、再び授乳しにベビちゃんに会いにいきました。
夜中はママが辛ければミルクだけでもいいよと言われましたが、ベビちゃんに会いたいし、母乳が出るようにしたいため、迷うことなく夜中の授乳も希望しました。
次は夜中の2時頃に会おうね、ベビちゃん!!