妊娠36週の妊婦健診の時に、自宅での『ビタミンK2シロップ』を希望する書類を提出しました。
退院したばかりの赤ちゃんに、なぜ薬を飲ませるの?と疑問に思う人もいるかもしれません。
K2シロップとは、簡単に言うと『ビタミンK欠乏性出血症』の予防のためのお薬です。
『ビタミンK欠乏性出血症』とは何か、ケイツーシロップの自宅での飲ませ方について説明したいと思います。
ビタミンK欠乏性出血症とは?
ビタミンKは、出血を止める凝固因子を作るために必要なビタミンです。ビタミンKが不足すると出血傾向となり、頭蓋内出血や消化管出血等を起こすことがあります。これをビタミンK欠乏性出血症といいます。
ビタミンKは胎盤を通りにくく赤ちゃんがママから受け取る量が少ないこと、生まれたばかりの赤ちゃんはビタミンKを作り出す腸内細菌が少ないことから、赤ちゃんはビタミンK不足になりやすいことが知られています。
また、母乳に含まれるビタミンKの量はミルクに比べて少ないため、母乳栄養児で起こりやすくなりますが、決して母乳栄養をやめる必要はありません。母乳栄養の方はビタミンKを豊富に含む食品(納豆や緑黄色野菜)を積極的に摂取することもお勧めします。
ビタミンK2シロップとは?
ビタミンKの不足を予防するため、日本では現在、『ビタミンK2シロップ1ml(2mg)を出生時、産科退院時、1ヶ月健診時の合計3回経口投与する方法』が、全国的に行われており、ビタミンK欠乏性出血の発症は稀になっています。
ただし、この投与方法でも日本及びEU諸国で乳児ビタミンK欠乏性出血症発症の報告があります。発症頻度は出生10万に対し0.11人と非常に低くなっていますが、このような症例を予防するために、日本小児科学会より、ビタミンKを生後3か月(12週)まで、週1回投与する方法が推奨されています。
参考:
「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン (修正版)」
私の場合
私の産院では、生後24時間以内、生後4日目、1ヶ月健診時と合計3回のビタミンK2シロップの予防投与を行っています。さらに希望者は自宅で週1回投与を行います。
私は、自宅でのビタミンK2シロップ投与を希望したので、退院時にビタミンK2シロップ12本(生後2~12週目用+予備1本)、パンフレット、K2投与チェック表を渡してもらいました。
費用は、3回投与の場合は、入院・健診費用に含まれますが、自宅での週1回投与を希望したので、別途料金300円かかりました。
自宅でのケイツーシロップの飲ませ方
ケイツーシロップは週1回、1回1包を12週の間飲ませます。
ミルクを1日500mL以上飲んでいる場合は、それ以降のシロップは不要ですが、内服させても問題ありません。
<スプーンで飲ませる場合>
スプーンに原液シロップを少しずつ取り分けて、赤ちゃんの口に流し込みます。ほほの内側に垂らすように流し込むとよいです。
<哺乳びんの乳首で飲ませる場合>
哺乳びんの乳首だけを赤ちゃんにくわえさせて、原液シロップを少しずつ流し込みます。
<哺乳びんで飲ませる場合>
ミルクか湯冷まし、または母乳にシロップを混ぜて飲ませます。量は赤ちゃんが飲みきれる程度(10mL以下)に調整します。
<注意点>
スティックのまま飲ませると、赤ちゃんのくちびるを傷つけたり、まちがって気道に入るおそれがあるので、必ず哺乳びんやスプーンなどに移して飲ませてください。
おすすめの飲ませ方
3つの飲ませ方がありますが、おすすめは『哺乳びんの乳首で飲ませる方法』です。
生後間もない赤ちゃんがスプーンを使って飲めるかどうか分からないし、哺乳びんでミルクなどに混ぜて10mL以下に調整したとしても飲みきれるかどうか分からないからです。
助産師さんのおすすめも哺乳びんの乳首で飲ませる方法でした。
ただし、それぞれの産院で方針や指導は異なると思いますので、産院の指示に従うようにしましょう。
ベビちゃんは、生後3日目から新生児黄疸の治療のためにミルクを飲ませていたので、乳首を全く嫌がりませんでした。
哺乳びんの乳首をくわえさせて、ケイツーシロップを流し込むと、『ちゅぱちゅぱ』と液がなくなっても飲むしぐさをします。
その様子がとてもかわいくて💛
まとめ
ママやパパが正しい知識をもつことで、安心して赤ちゃんにお薬を飲ませることができます。
ご自宅でビタミンK2シロップを飲ませるパパママにとって、少しでも参考になればと思います。